2009-04-23

論文「リトルトーキョーの再建?」

『アメリカ研究』第43号に論文「リトルトーキョーの再建?:再定住期におけるコミュニティと人種間協調主義」が掲載されました。拙著『「日系アメリカ人」の歴史社会学』のなかではあまり詳細に議論することができなかった戦時強制収容からロスアンジェルス地域社会への「再定住」過程を、歴史的史料の分析にそくして検討しました。ポイントは、戦時中に「旧リトルトーキョー」地区に住み込んだ黒人住民と、いかなる関係が結ばれ、それが日系人の「コミュニティ感覚」にどのように作用したのか、という問題です。この関係を考察すると、戦後アメリカの人種をめぐるイデオロギーの変化と、それが個別の地域社会に文脈化される過程(と、その問題)が見えてきます。今後は、この論文の射程をもう少し広げて、多人種・多民族で構成されるコミュニティのあり方を、理論と歴史的実証の双方から考えてみたいです。

久々のレフェリー付き学会誌への投稿論文で緊張しましたが、無事掲載できてよかったです。適切かつ鋭いコメントいただいた査読者・編集委員の方々に感謝です。やはり、査読の過程を経ると、論文の問題設定や論旨がキリッと締まる感じがしていいですね。最近は、査読の側にまわることも増えてきましたが、著者と一緒に「いい論文」を作り上げていくような査読を目指したいですね。